恋愛至上主義の女

暇を持て余した女子大生が好奇心で潜り込んだ世界の備忘録。

夏休み明け2ヶ月間のこと。

 

 

 

生まれて初めてodをしたあの日、

私は彼の目の前で倒れた。

 

 

24年生きてきて、死にたいと思ったことは何度もあった。

でも、今回は死ぬつもりなんてなかった。

倒れるつもりもなかったし、オーバードーズなんてするつもりもなかった。

 

 

記憶がない、なぜあんなことをしたのか。

ただ、辛かった、苦しかった。

衝立の向こうで笑う彼の声をきくのが。

 

 

 

 

 

気づいたら病院のベッドの上だった。

 

 

 

 

 

 

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夏休み。

狂ったように電話をして、大量の着信を残したあの日、私たちは終わった。

正確には、彼の人生の選択肢から私が消えた。

 

 

 

許せなかった、証拠もあった。

でも、結局、私が間違っていて、彼は約束を破っていなかった。

今でも完全に信じたわけじゃないけど、彼がそういう以上信じるしかない。

それでも信じるなんて無理で毎日毎日、彼と元カノが一緒にいるところを想像しては発狂した。

 

 

 

 

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私が入院しても、彼の態度は変わらなかった。

どころか、さらに冷たくなった。

もう2度と私は彼と関われないかと思うと、悲しくて辛くて、毎日泣いて、家に引きこもった。

 

 

何も食べれなくて、気づいたら体重は3.5キロ落ちて、

生きるのがギリギリで、何もできなかった。

 

 

 

2度と2人で会うつもりはない、

そう言って譲らなかった彼が

今にも死にそうな私に会ってくれたのは

2週間後のことだった。

 

 

 

 

 

待ち合わせていたスタバに来た彼は

見たこともないくらい冷たい表情で

聞いたこともないくらい低い声でキツい口調で

限界まで弱っていた私は何も話せず泣いた。

 

 

 

学校には来てほしい

彼の要件はそれだけで

私の望みは何一つ聞き入れられなくて

それでもいつかまた2人で会おうねって

やっと取り付けた約束。

 

 

 

 

 

 

 

それから1週間後、

倒れてから20日経ってやっと研究室に復帰した。

 

 

 

 

 

学校では普通にする。

その普通が私と彼で噛み合わなくて

毎日苦しかった。

目も合わなければ、会話もない。

 

 

 

何度も屋上ににげて

何度も研究室で泣いて

何度も休んだ。

 

 

 

 

 

 

それでも1ヶ月後に講座旅行を控えていたから。

運転手という役目もあったし、

楽しみにしていたイベントだったから

怯えながらも学校に行った。

 

 

 

 

 

 

その講座旅行。夜の飲み会。

疲れとアルコールで普段以上に酔った彼は、

あろうことか私の横に来て、

私の膝枕で寝転がり、

最終的には私の布団で眠りについた。

 

 

 

 

幸せだった。

彼が私を捨ててから、願い続けた添い寝。

大好きな人が私の横で寝ている。

 

 

 

キスして、手を繋いで一緒に寝た。

 

 

 

大好きが溢れて止まらなかった。

 

 

 

酔ってるとはいえ、あんなに拒否していた男が

私の側にいて、私に甘えてくるところが

可愛くて愛しくてたまらなかった。

 

 

 

 

 

1週間前、サヨナラを決意して最後の手紙を渡した私はもうどこかへ消えていた。

こんなことをされて、サヨナラなんてできるわけなかった。私を引き止めているのかと思ったし、まだまだとても好きだった。

 

 

 

 

 

 

3日後、久しぶりにLINEを送った。

案の定彼は覚えていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の家の前を通って、

また女といると思った私は彼が研究室の人と遊びに行って帰ってくるのを待ち伏せした。

路駐している私の車に気づいた彼は逃げた。

 

 

結局、顔を合わせてはもらえなかったし

女がいないことが確信できたわけでもなかった。

それでも久しぶりに1時間半も電話越しとはいえ話せて、幸せだった。

 

 

講座旅行でその気にさせた責任を取ってほしいと言う私に、いつかね。と曖昧な答えだとしても、

それでも私は2度と会わないと言っていた彼が少しずつ変わっている気がして嬉しかった。

 

 

自分でもバカだと思う。

いつかなんて本当にくるかわからない、なんとでも言える。それでも、待ち伏せされて怖いと言いながらも電話に出てくれるようになったこと、一緒に寝るのを真剣に考えてくれるって言ったこと、昔みたいにどうでもいい話をできるようになったこと、それだけで幸せだった。

 

 

関わることさえできなかったあの頃に比べたら100倍マシだった。

 

 

 

 

甘い、甘いと思う。

 

 

それでも彼も、

メンヘラって、奇行に走って、ビビらせて、

怒りだして、結局最後は好き好き大好きと言って

小さな約束を取り付ける私にハマってるようにみえる。

 

 

私の扱いにも慣れてきて、

私に愛されることが癖になっているように思える。

 

 

それはあくまで私の希望的観測かもしれないけれど、

私にしかわからない彼の変化がある。

 

 

 

 

 

 

 

どの写真を見てもかっこよくはなくて

決してイケメンとはいえなくて

たいして賢くもなければ

運動ができるわけでもなくて

 

だけど、私は、

彼の一挙一動が可愛くて愛しくて堪らない。

 

 

 

だから出し惜しむことなく愛を伝えて、

いつか私の愛に押し倒されて負けてくれる、

そんな日がくることを信じている。

 

 

 

 

 

私があなたに飽きる前に

どうか振り向いてほしい。

そして波瀾万丈な人生に平穏をください。

 

 

あなたとならば

毎日笑顔で平和に暮らせる、そう思った。

何もない日常が幸せだと思えたのも

どこかへ出かけたいと思ったのも

苦手な人混みも悪くないと思ったのも

全部全部はじめてだったから。

 

私にとって彼は特別なんだと、そんな気がして、

だから釣り合うとか釣り合わないとかどうでもいい。

 

 

 

 

 

私はね、ゆーくん、あなたが欲しいの。