恋愛至上主義の女

暇を持て余した女子大生が好奇心で潜り込んだ世界の備忘録。

せいよく

 

 

私も彼も、異性の身体に対する性的欲求が乏しい。

だから付き合って半年間、性交渉がなくても続いた。

 

 

元々、セックスは得意じゃなかったし

生殖として以上の目的を見出せなかった。

それでも彼氏に求められるがままに抱かれ

男女とはそういうものだと受け入れてきた。

 

人間の慣れとは怖いもので

男性の肉体に性的興奮を覚えたことのなかった私でも

"そういう空気"になると身体は準備を始めるし

刺激を与えられれば、それなりに快楽を感じることもあった。

"性的に興奮"しなくとも"物理的な刺激"でセックスが成り立つ。

勃たない男と違って、多少濡れなくてもセックスはできてしまうし

身体を守るために体液は分泌される。

 

 

 

そんな風に男女の関係に"セックス"が当然として組み込まれ、受け入れてきた私が27歳にして付き合った男は

私のことを全く抱かない男、だった。

 

最初は不安だった。

しかし半年も過ぎれば、慣れた。

むしろ都合が良いのではないかとさえ思い始めた。

 

 

外野は私達を見て、付き合ってる意味があるのかと問う。

しかし本質的には逆で、性欲がないからこそ付き合っているという大義名分が必要なのだ。

 

性欲があれば"セフレ"という関係性を築ける。

幼少期から時を共にしてきていたのなら"幼馴染"という言葉に守られる。

"会社の同僚"でも、"ラウンジ嬢と客"でも、

人は皆、他人との関係性に名前をつける。

関係性に名前をつけることができれば、その関係は"普通"であり、正しいものとなる。

名前のついた関係性を維持することで人と人の縁は保たれる。

当然ながらその関係を変えようとして失敗することだつてあるが。

 

 

 

 

 

だけど、私と彼にはなにもなかった、

"彼氏と彼女"以外に関係性を保つための言い訳がなかったのだ。

 

彼は気が合うと思った女をそばに置いておく大義名分として、彼女と名付けた。

それが私である。

 

出会った日から今日までずっと、

彼と私の間に性愛なんてものは存在していない。

性欲として愛した瞬間など一度もなかったし、この先もありえない。

 

私も彼も正欲を満たすため、

世間から正しいと見てもらうために

付き合うという選択をした。

 

日系大手企業勤務の彼女は

世間の誰が見ても正しく"良い彼女"であり

元外コン会計士の経営者もまた同様に

世間一般から見ると"良い彼氏"である。

 

世間から正しく見られるために

彼は2週に一度、私を家に招き食事を振る舞い、

私は電車で40分かけて喜んで彼に会いに行く。

 

でもそれは表向きの姿であって

実際には、

彼は私に見向きもせずゲームをして夜更かしをするし

私は1人で本を読んで、彼より先に眠りにつく。

 

この不健全さに私は気づいているから

これで良いのかと日々悩んでいる。

 

気づきながらもやはり正しくありたいので

世間的に"良い彼氏"を手放せずにいる。

 

 

 

性欲に支配された人間を人は笑うが

正欲に支配される方がよっぽど馬鹿げている。

 

けれどもこの文章も

結局は彼との関係性を正しいと思い込むための言い訳でしかない。

もうなにが正しいのかわからない。

 

 

 

 

 

 

 

預言カフェに行ってきた話

 

先日、まいりちゃんと預言カフェに行ってきました。

 

彼女と知り合ったのはちょうど3年前の夏。

預言カフェの存在も彼女のブログで知り、ずっと行きたいと思っていて、やっと行けました。

 

お店の詳細はまいりちゃんのブログにあります。

 

 

 

以下、私の預言の書き起こしです。

備忘として残します。

 

 

 

主は言われます、我が愛する娘よ。

私はあなたを喜んでいる、と主が言われます。

貴女の強さが今起き上がっていくときです、と主が言われます。

また貴女が持っている麗しさや、また貴女が持っている才能が益々花開いていくように、またそこにちゃんと貴女の目線が留まっていくように、私は貴女の心に触れる、と主が言われます。

人々が持っている物に目が留まりがちでしょうが、貴女の内側に与えられている物は価値ある物ですよ、と主が言われます。

自分の内側にある才能や貴女の良さに目を留め、貴女がそれを喜び、それをもっともっと大胆に表す、そのようなとこに場所を用意した、と主が言われます。

失敗したとしても起ち上がる、失敗したとしてもタダでは起き上がらない、そのような強い心と知恵を与えた、と主が言われます。

これからの歩みは、より貴女にとっては拡大の時です、と主が言われます。

自分はもうこれでいいやと何か貴女が妥協しないで、または何か物事に対して希望を持てないような心を持つのではなく、むしろ貴女が希望をもって貴女がこれからの道のりを、貴女は高く希望を掲げて進むことができるように私は貴女を助けていく、と主が言われます。

私は貴女の力強さと、また貴女の持っている才能がこれからもより時代に合った流れを作り上げていくようにとしていく、と主が言われます。

時代の変化や時代の移り変わりに恐れるのではなく、むしろそこに対応し、心を強くし貴女が起ち上がっていく、そのように私は貴女を励ましていく、と主が言われます。

また娘よ、貴女が今まで時間がなくてできなかった物や、十分に味わうことができなかったよいものも、貴女がこれからより時間を受け取って、貴女が楽しみ喜んでいく時間を作り上げていく、と主が言われます。

貴女が知らないだけであって、一旦貴女がその素晴らしさを味わったならば心を開き、また情熱をもってみていく、そのような物も用意されていますよ、と主が言われます。

ですから、これからは何か貴女自身の心にフィットしていくものが益々与えられ、十分に時間が与えられていくことを期待して欲しい、と主が言われます。

1つ1つの歩みを私は祝福します。ですから娘よ、時には時が何か遅いように感じたり、またはもっともっと速く進みたいのに進めないというところに立ったとしても心配しないで、むしろその1歩1歩の中に価値あるものをみ、また決して貴女が遅れないことを貴女は知るでしょう、と主が言われます。

 

 

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そこにあるのは下心だけ。

 

 

 

 

 

 

 

「また休み明けに連絡する」

彼はそう言って私の部屋を後にした。

 


新入社員研修を終えて配属された部署にいた彼。

トレーナーに誘われた飲み会で質問攻めにされていた私は「うちの課で誰が1番かっこいい?」と聞かれ、少し迷ったフリをしながら彼の名前を挙げた。

本当はそんなに興味もなかったのに、

同期の男の子が口を揃えて、

彼に憧れていると言うから。

 


それから私の推しは彼であるのが公認となり、

飲み会で彼の隣が私の指定席で、

解散後には必ずLINEが鳴るようになった。

 

「先輩が1番かっこいいです」

何度も繰り返すうちに本当に彼が欲しくなっていた。

 

 

 

 

 


一度だけ休みの日に2人で出かけたことがある。

夕方に車で迎えにきてくれて、岩盤浴に行った。

何かに悩んでいる彼の横で話を聞きながら、

この人の心の真ん中には触れることができないと悟った。

 

「俺は絶対に結婚に向いてないんだよ。

 自分が一番可愛いし、1人が好きだから。」

 

一線を引かれたんだと思った。

それから一度も2人で会うことはなかった。

何度デートして欲しいと誘っても絶対に首を縦に振らない彼。

そのくせ頻繁に連絡をよこしてくる。

 

そんな彼に一喜一憂している私は、完全に本気だった。

 

 

 

 

 


『慕ってくれる可愛い後輩』

という今の関係にお互いに限界を感じていた頃、彼は秘密を打ち明けた。

 

少し前に寮を出て一人暮らしを始めたことはみんな知っていた。でも本当は彼女と同棲だった。

他の先輩も誰も知らない、彼の秘密。

こんな秘密は知りたくなかった。

 

 

 


あからさまに彼と距離を取る私をみて、

他の先輩を褒めてニコニコする私をみて、

焦った彼は私を引きとめようと本音を話してくれた。

 


「お前が彼女だったらいいなと思う」

「けど、簡単に同棲を解消できない。

 だから待たなくていい、幸せになってほしい。」

 


ずるい。ずるすぎる。大好きな人にそんな風に言われて離れられるわけがなかった。気持ちを通わせながらも、私たちの関係はプラトニックだった。

 

 

 

 

 

 


ある日の飲み会帰り、私たちは初めてキスをした。

年内に彼女と別れるから、といった彼。

 

年度内までには彼女と別れるから、といった彼。

 

結局、4月になっても同棲は続いたままだった。

 

仕事中しか帰ってこないLINE、いつもの飲み会でたまに隙を見て降ってくるキス。

そんなのじゃ全然足りなくて、耐えられなくなった私は、彼に甘さを強請った。

 

付き合う前に抱き合ってはいけないのは世間の常識だけど、どうしても我慢できなかった。

 

 

 

 

 

 


大丈夫、付き合うことなんて望んでいない。

こんな優柔不断な男と付き合っても幸せになれない。

どうせなら好きな男に抱かれたい、ただそれだけ。

私は情が移ったりなんてしない。

そこにあるのは下心だけ。

 

 

 


次の定期異動が発表されたら、

私は彼との関係を清算すると決めている。

 

身体を重ねるたびに、好きが減っていることに気づいたから。

 

 

 

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許すという選択。

 

 

 

 

私は今日半年に及ぶ彼との戦いに終止符を打ちました。

 

 

https://li-ly-b.hateblo.jp/entry/2019/09/05/185305

 

 

 

 

 

 

彼と出会って、同じ時間を過ごして、

元カノに奪われて、見せつけられて苦しかった。

苦しくて辛くて許せなくて執着してた。

 

 

 

私が夢見た時間を、

彼と元カノは奪うだけでは足らず、2人で叶えた。

 

 

 

彼はその事実を隠し、嘘に嘘を重ねてバレて、

何度もわたしを傷つけた。

 

 

 

 

責任をとって欲しかった。

わたしを傷つけて傷つけて傷つけた責任を。

 

誠意が見たかった。

ごめんねという気持ちが現れた行動が欲しかった。

 

 

 

 

 

でも、それを求めたところで

彼はそれを与えてくれはしないし、

なによりも、求めて与えられたところで

何も価値がないということに気づいた。

 

 

 

 

 

元カノとのことで、嘘つかれて、発狂して、

脅して説明させて、条件をだして、拒否されて、

話し合って、約束事して、また裏切られる。

それの繰り返しに疲れてしまった。

 

 

 

 

 

私は彼との時間を夢見ていたし

実際今でもきっと楽しいだろうとは思うけど

もうこれだけ傷つけられ、嘘つかれて

信じられないな、と思った。

付き合っても幸せになれないと思った。

 

 

 

 

だからもう何も望まないことにした。

好きにしたらいいよ、と許すことにした。

 

 

 

そうしたら不思議とラクになった。

何かを望んで約束するから裏切られるのであって、

何も約束しなければ傷つくこともない。

もう期待する必要もなくて、ラクになれた。

 

 

 

 

相手を許すことは、自分を許すことでもあった。

私自身にもう頑張らなくてもいいよと許すことと同じで

自分自身を解放してあげることができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"友達"

 

 

 

わたしには男友達はいない。

それは男女の友情は成り立たないと思っているから。

でも彼は、成り立つと言った。

 

 

 

 

だからわたしは彼と友達になることにした。

毎日、おはようって挨拶する、

それだけが最後の約束

 

 

 

 

彼が言うには

卒業しても友達でいてくれるらしいし

彼自身も友達でいたいんだって。

 

 

 

 

 

でもね、気付いてないみたいだけど、

私の未来はとても明るいの。

 

 

私はこの先、もっと綺麗になるし、

精神的にも強くなるし、

誰もが知る企業で世界の歴史に残る仕事をして、

あなたが手の届かないくらい最高にイイ女になるの。

 

 

 

 

この先間違いなく

ステキな出会いがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつまでも私と"友達"でいられると思わないでね?

 

 

 

 

 

 

 

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夏休み明け2ヶ月間のこと。

 

 

 

生まれて初めてodをしたあの日、

私は彼の目の前で倒れた。

 

 

24年生きてきて、死にたいと思ったことは何度もあった。

でも、今回は死ぬつもりなんてなかった。

倒れるつもりもなかったし、オーバードーズなんてするつもりもなかった。

 

 

記憶がない、なぜあんなことをしたのか。

ただ、辛かった、苦しかった。

衝立の向こうで笑う彼の声をきくのが。

 

 

 

 

 

気づいたら病院のベッドの上だった。

 

 

 

 

 

 

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夏休み。

狂ったように電話をして、大量の着信を残したあの日、私たちは終わった。

正確には、彼の人生の選択肢から私が消えた。

 

 

 

許せなかった、証拠もあった。

でも、結局、私が間違っていて、彼は約束を破っていなかった。

今でも完全に信じたわけじゃないけど、彼がそういう以上信じるしかない。

それでも信じるなんて無理で毎日毎日、彼と元カノが一緒にいるところを想像しては発狂した。

 

 

 

 

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私が入院しても、彼の態度は変わらなかった。

どころか、さらに冷たくなった。

もう2度と私は彼と関われないかと思うと、悲しくて辛くて、毎日泣いて、家に引きこもった。

 

 

何も食べれなくて、気づいたら体重は3.5キロ落ちて、

生きるのがギリギリで、何もできなかった。

 

 

 

2度と2人で会うつもりはない、

そう言って譲らなかった彼が

今にも死にそうな私に会ってくれたのは

2週間後のことだった。

 

 

 

 

 

待ち合わせていたスタバに来た彼は

見たこともないくらい冷たい表情で

聞いたこともないくらい低い声でキツい口調で

限界まで弱っていた私は何も話せず泣いた。

 

 

 

学校には来てほしい

彼の要件はそれだけで

私の望みは何一つ聞き入れられなくて

それでもいつかまた2人で会おうねって

やっと取り付けた約束。

 

 

 

 

 

 

 

それから1週間後、

倒れてから20日経ってやっと研究室に復帰した。

 

 

 

 

 

学校では普通にする。

その普通が私と彼で噛み合わなくて

毎日苦しかった。

目も合わなければ、会話もない。

 

 

 

何度も屋上ににげて

何度も研究室で泣いて

何度も休んだ。

 

 

 

 

 

 

それでも1ヶ月後に講座旅行を控えていたから。

運転手という役目もあったし、

楽しみにしていたイベントだったから

怯えながらも学校に行った。

 

 

 

 

 

 

その講座旅行。夜の飲み会。

疲れとアルコールで普段以上に酔った彼は、

あろうことか私の横に来て、

私の膝枕で寝転がり、

最終的には私の布団で眠りについた。

 

 

 

 

幸せだった。

彼が私を捨ててから、願い続けた添い寝。

大好きな人が私の横で寝ている。

 

 

 

キスして、手を繋いで一緒に寝た。

 

 

 

大好きが溢れて止まらなかった。

 

 

 

酔ってるとはいえ、あんなに拒否していた男が

私の側にいて、私に甘えてくるところが

可愛くて愛しくてたまらなかった。

 

 

 

 

 

1週間前、サヨナラを決意して最後の手紙を渡した私はもうどこかへ消えていた。

こんなことをされて、サヨナラなんてできるわけなかった。私を引き止めているのかと思ったし、まだまだとても好きだった。

 

 

 

 

 

 

3日後、久しぶりにLINEを送った。

案の定彼は覚えていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の家の前を通って、

また女といると思った私は彼が研究室の人と遊びに行って帰ってくるのを待ち伏せした。

路駐している私の車に気づいた彼は逃げた。

 

 

結局、顔を合わせてはもらえなかったし

女がいないことが確信できたわけでもなかった。

それでも久しぶりに1時間半も電話越しとはいえ話せて、幸せだった。

 

 

講座旅行でその気にさせた責任を取ってほしいと言う私に、いつかね。と曖昧な答えだとしても、

それでも私は2度と会わないと言っていた彼が少しずつ変わっている気がして嬉しかった。

 

 

自分でもバカだと思う。

いつかなんて本当にくるかわからない、なんとでも言える。それでも、待ち伏せされて怖いと言いながらも電話に出てくれるようになったこと、一緒に寝るのを真剣に考えてくれるって言ったこと、昔みたいにどうでもいい話をできるようになったこと、それだけで幸せだった。

 

 

関わることさえできなかったあの頃に比べたら100倍マシだった。

 

 

 

 

甘い、甘いと思う。

 

 

それでも彼も、

メンヘラって、奇行に走って、ビビらせて、

怒りだして、結局最後は好き好き大好きと言って

小さな約束を取り付ける私にハマってるようにみえる。

 

 

私の扱いにも慣れてきて、

私に愛されることが癖になっているように思える。

 

 

それはあくまで私の希望的観測かもしれないけれど、

私にしかわからない彼の変化がある。

 

 

 

 

 

 

 

どの写真を見てもかっこよくはなくて

決してイケメンとはいえなくて

たいして賢くもなければ

運動ができるわけでもなくて

 

だけど、私は、

彼の一挙一動が可愛くて愛しくて堪らない。

 

 

 

だから出し惜しむことなく愛を伝えて、

いつか私の愛に押し倒されて負けてくれる、

そんな日がくることを信じている。

 

 

 

 

 

私があなたに飽きる前に

どうか振り向いてほしい。

そして波瀾万丈な人生に平穏をください。

 

 

あなたとならば

毎日笑顔で平和に暮らせる、そう思った。

何もない日常が幸せだと思えたのも

どこかへ出かけたいと思ったのも

苦手な人混みも悪くないと思ったのも

全部全部はじめてだったから。

 

私にとって彼は特別なんだと、そんな気がして、

だから釣り合うとか釣り合わないとかどうでもいい。

 

 

 

 

 

私はね、ゆーくん、あなたが欲しいの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後のアオハル

 

 

 

 

 

彼の為なら死んでもいい。

 

 

 

それくらい本気で愛した男がいた。

15歳で出会ってから、

私は彼に振り回され続けた。

世界の中心は彼で、

会えなくなっても彼は私の心の中に住み続けた。

他の誰かと付き合っていても、

奥底で眠っている彼の存在が時々顔を出して、

その度にSNSを漁った。

 

 

 

 

 

 

私は、本当は分かっていた。

彼とは一緒にいられないことも、

彼といても幸せになれないことも、

彼と私は身体でしか繋がれないことも、

全部、ぜんぶ、分かっていた。

 

 

 

 

それでも、私は彼しか愛せなかった。

他の男にどれだけ優しくされても、

他の男がどれだけお金を使ってくれても、

彼以外の男は気持ち悪くて、ジャガイモだった。

 

 

 

 

彼以外の男になんて興味を持つはずがなかった。

持てるわけがなかった。

 

 

はずだった。

 

 

 

  

 

 

 

 

同じ学科の男なんて絶対にありえないと見下していたのに、

ましてや年下で、ほぼ童貞で、外見だって平均程度の男に、 

その気にさせられて、本気になって、振り回されて、

挙げ句の果てに捨てられた。 

 

 

 

 

 

 

 

 

どう考えたって、冷静になればなるほど、

ありえない、おかしい、意味が分からない。

 

 

 

 

 

自慢じゃないが、

どこに行っても褒められる顔面に産んでもらった。

体格にも恵まれてモデル並みに華奢だし、

肌と髪だって一般的に見ても綺麗だし、

要領よく勉強だってそれなりにこなしてきたし、

大手優良企業から内定も貰っているし、

性にもそこそこ積極的で、男を立てることだってできる。

ほんの少し人よりメンヘラで、わがままかもしれないけれど

私が笑えば、みんな大抵のことは許してくれる。

 

 

 

 

なのに、この私が、

1歳年下の、近似したら童貞に、

その気になって、本気になって、未来を約束したのに、

逃げられている。

 

 

 

 

 

 

全くもって理解が追いつかないし、許しがたいことで、

到底受け入れられるものではないのだけれど、

これは現実であり、事実として彼は私を捨てた。

 

 

 

 

 

 

現実から目を逸らそうにも、

毎日同じ部屋で生活しなければいけない。

今となっては同じ部屋になったことを恨むし、

もはや同じ研究室になんてならなければ出逢わずに済んだ。

 

 

 

 

 

声を聞くだけで泣きそうになって、

後ろ姿を眺めては苦しくなって、

あからさまに避けないとやってられなくて、

すれ違う度に目を逸らして、

ひたすら黙って日々をやり過ごしている。

 

 

 

 

見るからに元気がなくて、今にも消えてなくなりそうで、

死んでしまいたくて仕方ない。

 

 

 

こんな私を見て、彼は今何を感じているのだろう。

きっと何も感じていないに違いない。

 

 

 

 

 

 

夏休みが始まる前に

研究室では今まで通り普通でいたい、と言った彼。

学校が再開してから、未だ一言も話していない。

 

 

 

 

 

彼は、私からの大量の着信履歴やSNSの鬼更新などの

メンヘラ活動に呆れて愛想尽かしてしまって

友達でいるのさえ嫌になったのだろうか。

 

 

 

 

今は誰とも付き合うつもりはないから。

本気だった、それは嘘ではない、けど1人になりたい。

 

 

 

あの言葉は 何だったのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幸せ絶頂だった、どこまでも昇り坂だと感じたあの日

突然、元カノの手によって投げ込まれた 槍 は、

見事に命中し私と彼の関係は壊れた。

 

元カノがいれた亀裂は広がる一方で、

2ヶ月かけて粉々になった。

 

 

 

 

 

 

 

大した男ではないことも

もっといい男がたくさんいることも

振り回される価値もなければ

時間の無駄だってことも

全部、せんぶ、わかっている。

 

 

 

 

 

それでも、どうしても忘れられないくらい、

彼との時間は私にとって 青春 だった、

私の人生最後の アオハル だった。

 

 

  

 

 

 

彼と過ごした2週間を、私は一生忘れないだろう。

毎日、学校でも家でも一緒にいて、

笑いが絶えなくて、何をしていても楽しくて、

初めてのデートでみた映画も、

大っ嫌いな雨が降る中で出かけたあの日も、

2人で飲んだお酒の味も、彼の家の匂いも、

私は一生忘れることはない、忘れられるわけがない。

 

  

 

 

 

でも彼はきっともう

私の香水の匂いも、

私との交わした数々の約束も、 

私と行ったラーメン屋さんの味も、

全て忘れてしまったのだろう。

 

 

  

 

 

せめて最後くらいは、いい女でありたかった。

わがまま言わず、涼しい顔して、バイバイって言っておけば良かった。

 

せめてちゃんと、お礼とお別れを言って終わらせたい

と今更思っても、もうそれすらもきっと叶わないし、

私はいざ彼を目の前にしたら、

またワガママを言って困らせてしまうだろう。

 

 

 

 

 

だから私は、明日も、明後日も、

毎日あからさまに彼を避けながら、

今日という日をなんとかやり過ごすのだろう。

 

彼が、 ごめんね と言って戻ってくるのを期待しながら。

 

 

 

 

 

 

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好きな男に内定報告をしたらマウントを取られた話

 

 

 

 

令和元年6月12日

本社ビルにて3度目の面接を受け

その場で内々定をいただいた。

 

 

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ちょうど3週間前、非通知の着信があった。

エントリーシートを出してから1ヶ月半経っても連絡はなく、落ちたと認識していた企業からだった。

 

 

キャリア職でエントリーしていたが

学歴が圧倒的に足りていなかった。

わかっていた、それでもキャリアに憧れていた。

 

 

三次募集で1つ下の職種で面接を受けないかという内容だった。

 

 

 

お世辞にも就職活動がうまくいっているとは言えなかった私はありがたく受けさせてもらうことにした。

けど、どこかで引っかかる部分があった。

キャリア職ではないことに。

 

 

 

それでも面接を受けながら

親や周りの意見も聞きながら

納得して内定承諾した。

 

 

 

世界に誇る企業であること

日本一安定している企業であること

社会貢献度の高い企業であること

福利厚生待遇面も日本トップクラスであること

 

 

これらを考慮すれば

キャリア職でないことなんて大した問題ではないし

私は女であるから、結婚出産の可能性も考えれば

キャリア職で出世争いを戦い抜くのも厳しい。

 

 

 

 

 

ノルマなし、みんなで協力して働く

それもありかなぁと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なのに、好きな人に連絡したら

とても嫌な気持ちになった。

 

 

 

就活終わった?って聞かれていたから

内定でたよって報告したのに

 

おめでとうの一言もなしに

「どこ?何職?」

と軽くマウントを取られた気持ちになった。

 

 

 

 

これが嫌だった。

私自身はキャリア職じゃないことに納得した。

でも、バカにする人もいる。

 

 

 

 

働き方改革が流行りの今、

バリバリ働くことが幸せとは限らない。

 

 

親世代ですらこの歳になると、

家族を巻き込んで転勤して

度重なる接待をくりかえしてきたことで生活習慣病にもなって

本当にこれが幸せだったのだろうか

と思うというのに、

 

 

 

バリキャリ金融マンの彼からしたら

馬鹿にする対象なのだ。

 

 

 

 

大学6年間で疲れてしまったし

就職活動を通して

自分の限界や適性も理解した。

 

 

 

バリキャリでノルマと戦う仕事につけば

私は必ずダメになる。

 

だからこの会社でこの仕事は

私にとってはとてもいい選択だとおもう。

 

 

 

 

 

それでも、彼に認めてもらえないと

彼だけには認めてもらいたくて

彼と同じ社会人というフィールドに立つことが

わたしのモチベーションだったから。

 

 

そこはせめて、おめでとうって

言って欲しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友人にこの話をしたら

きっと気にくわないんだろうね。

だから職種でマウント取るんだろうね。

と言われた。

 

 

 

 

 

 

 

いいよ、わかったよ、

マウントくらい取らせてあげるよ。

だから、わたしと一緒に暮らそう?

 

 

私なら、贅沢はさせてあげられなくても

貴方の本当の夢を応援できる。

 

 

 

そう思っていても、

私の気持ちは届かないし、

 

 

彼にとって私はそういう存在にはなれない。